2009年10月26日: ユーザー視点。
【販売推進室:三宅】
真夜中のタクシー。
「東大阪の花園までお願いします。
阪神高速の中野出口で降りたら起こしてください」
市内でしこたま飲み、タクシーで帰るとき、
僕は必ずこのように運転手さんにお願いをする。
あいまいな指示で運転手さんを困らせないためだ。
そしてゆっくり休むため。。。
しかし、たま〜にイレギュラーが起こる。
先日もそうだった。
はっと目が覚め、辺りを見回すとどうも見覚えのある景色ではない。
「運転手さん、今どの辺走ってますのん?」
『へ?あ、奈良市内に入ったとこですが』
奈良?予期せぬ回答に、
脳内BGMがおもむろにワーグナー「ワルキューレの騎行」を
♪〜パンパラパンパン・・・ パンパラパンパン・・・ パンパラパンパン・・・
と奏でだした。
「おかしいな。奈良経由でどちらまで?」
『東大阪です。あのう、、、お客さん起きへんかったから、、、』
起きなかったから奈良まで行ったとは、無茶言うたらあかん。
まるで近鉄電車の快速急行に言い訳されたようなもんである。
ただ、ほんとうに近鉄電車に言われたのならまだ納得はいくが、
相手はタクシーの運転手。とうてい納得がいくわけもない。
僕はとにかく東大阪まで引き返すよう、運転手さんに促した。
『はあ、、、ではひとまずここまでの料金だけ戴きまして
あとはサービスでお送りしますんで』
メーターには2万3千円ほどの馬鹿げた数字が並んでいた。
梅田から東大阪までは、なんぼがんばっても5千円が限界である。
おまけに「サービス」とは何をもってサービスなのか。。。
僕はとても払う気にはなれなかった。
「運転手さん。そこにある(高速の)領収書見せてくれません?」
中野出口で降りた事実が少しでも垣間見えれば多少は負担も仕方ない、
そうなればちょっと料金交渉もしないといかんなと
僕は苛立ちをグッと噛みしめ、領収書をチェックした。
「奈良までノンストップやんけ。。。」
かくして僕は運転手さんに過失を認めていただき
予算通りの5千円でその日、家路についたわけですが、、、
(タクシー内は、
それはそれは気まずい空気で、、、よく送ってくれたものだw)
いくら景気が悪い、売上が大変だとか、真相は知りませんけどね、
これはほんまアカンよ、、、絶対にアカン。
中には親切な方もいます。むしろ親切なほうが大半。
東大阪まで来て、その状況で僕が酔っぱらって説明不能
だったりすると、近鉄沿線の駅に送ってくれて
『落ち着いたら別のタクシー乗り継いでください』と
お互い不利益にならない内に精算をしてくれたり、、、
ナビの着いてるタクシーなどでは、住所を伝えると
「着いたら起こします」と言ってくれ、バッチリ家の真ん前まで
送ってくれたり、、、。
そんな彼らの営業努力がパーになってしまう。
これは極端な例でしたが、売り手の論理や都合を押し付けては、
決して利用者には受け入れられません。
(ちなみに、上記の場合はひとつ間違えばサギ?かもしれない)
モノやサービスを提供することで対価を得る自身の仕事を顧みて、
改めて僕はユーザー視点に立つことの大切さを実感したのでした。
と同時にいつまでも若くはないので、電車のある内に家に帰る努力も
してみるべきかと、ふと思ったのでした。
(終わり)