【ソリューション事業部 マツダ】
昨年の秋、兵庫県のとある住宅街での出来事。
早朝、自宅の庭から愛犬(日本犬)のけたたましい吠声が聞こえ、家主は眼を覚ました。
滅多な事では吠えない愛犬が、ここまで吠えるとは何事かと、家主は玄関から庭に飛び出す。
庭には、2階建の母屋と同じ高さ位の柿の木がある。
愛犬は、その根元から上を見上げながら空に向かって吠えているのである。
「近所の猫が木の上にでも登ったのか?」
家主はそう思い、柿の木を見上げた。
だが、その眼に思いもよらぬモノが飛び込んだ!
–後編に続く–
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ツキノワグマ・・・
驚いた家主は、近所や各署に連絡。
近所の人も、ツキノワグマの姿を確認し騒がしくなってきた。
公務で駆け付けた人々と対策を練るが、ここは住宅地。
周りは全て民家、しかも木の上なのでヘタに動けない。
ツキノワグマも、下から犬に吠えられ人間の姿も見え、身の危険を感じていたに違いない。
正しく、絶体絶命。
家主は愛犬にそこから離れるように声を掛けるが、全くその場から離れようとはしなかった。
そんな時、何かを悟ったように、ツキノワグマが柿の木から飛び降り、犬に襲いかかる。
おそらく、犬を倒さぬ限り、逃げれないと悟ったのだろう。
もみ合う二頭。
だが、ブッチャーと幼稚園児位の体格差がある。
ツキノワグマが腕を振り上げたと思った瞬間、犬は投げ飛ばされ宙を舞い、地面へ倒れ込む!
その隙に、ツキノワグマは一目散に逃げていった。
この出来事、私の祖母宅で起こりました。
祖母宅へ行くと、犬の様子がいつもと違う。
脚を引きずり、片目は失明・・・
愛犬は死の淵から蘇りましたが、まともに散歩ができない程の後遺症を負い、庭の柿の木は、クマが寄らぬよう実の生る枝は全て切られ裸木に。
おかげで今後、柿が食べれなくなってしまいました。
池の鯉が突然姿を消したのも、今から思うとクマに捕獲されたのかもしれません。
やはりしっかりとした囲いは必要かと。
それにしても、庭に侵入したクマに対し、勇敢に立ち向かった愛犬の行為は称賛に値します。
普段、大人しい犬なのに。
まるで『銀牙』の銀。
近年、クマが人里に現れるニュースをよく聞きます。
以前、六甲山中でも目撃されましたね。
排除するだけではなく共存できる環境を残す努力が必要ではないのかと考えてしまう、今日この頃です。
写真は、今年の夏に登った兵庫県最高峰の山。
手持ちの高度計で標高1,000メートル付近。
この高度までは杉林でしたが、ここから山頂にかけて原生林が広がります。
いろいろな足跡が多い場所でした。