【チャネル事業部 齊賀】
先日 何年ぶりかで神戸文化ホールに出かけ、
人形劇団 むすび座 の人形劇を見ました。
今までは 人形劇といえば
黒幕をかけた台を使って
一人の人が一体の人形を操るものだと思っていたのですが
今回の人業劇は、そんな固定概念とは全く違うものでした
『人のわざ』と書いて【人業劇】
〜舞台道具らしいものは一切使わず、
役者たちの身体表現だけで芝居を作り出す〜
というコンセプトだそうです。
舞台道具なしで どうやって表現するかというと
さすがは むすび座
金網にロープを通して 様々な動植物を表現します
一体の人形を三人で操ったり
一人で操ったり
馬に乗って駆け回ってみたり
歌ったり 踊ったり・・・
単なるものでしかない人形が、
ひとたび役者の手にかかると生き生きと動き出し、
怒り、泣き、笑います。
人形の身長に合わせた動きをするので
しゃがんだ体勢でのムーンウォークや
肩車をしたままでの軽快な動きに釘付けになりました。
人形たちの躍動感溢れる動きもさることながら
一体の人形を 三人で操っている時の一糸乱れぬ動き。
体を隠す台はないのに
人の動きが 人形の表現力を全く邪魔しない
本当に素晴らしかったです!
これほど、人形のパフォーマンスに魅了されるとは思いませんでした。
まさに 人の業の集結でした。
このお芝居は 厚生省中央児童福祉審議会特別推薦文化財 という
仕分けされてしまいそうな文化財に指定されているそうですよ。
機会があれば ご覧ください。
ということで 少しあらすじを・・・・
原作は『子鹿物語』として知られている物語ですが、
原題は『THE YEARLING(一歳仔)』
満一歳になった動物の子どもという意味だそうです。
恥ずかしいことに、私は子どもの頃読んだつもりで
かわいい子鹿と男の子の愛情の物語だろうなぁと軽く考えてました
が、実際は・・・
厳しい自然の中で暮らしている一家。
ある日 父親がガラガラヘビに噛まれて
その手当てのために 雌鹿を撃ち殺しその内臓で蛇の毒を吸いだします。
息子のジョディは、殺された雌鹿のそばにいた子鹿をどうしても飼いたいと言い張り、
フラッグという名をつけて愛情を注ぎ、飼い始めますが・・・
一年が過ぎ、成長したフラッグは
一家の食料を食い荒らし 畑を荒らすようになります。
このままでは、一家は飢え死にしてしまいます。
生きていくために父親は、ジョディにつらい決断を迫ります・・・
というわけで邦題の『子鹿物語』から受ける印象とは随分違ってました
次は、原作も読んでみようと思います。
子どもが大きくなるにつれ、劇場に足を運ぶことが少なくなってきましたが、
映画鑑賞や読書では味わえない感動を得ることができますね。
♪むすび座のむすびは 心をむすぶのむすび♪
このむすび座の歌のように 子どもも大人も関係なく
心と心が結ばれるといいですね。