2023年2月22日: 職業野球

【エクスショップ ジン】

井上社長、日々ご尽力いただきまして、誠に有難うございます。EXメンバー一同、大変感謝しております。「いつもの公園」に集合がかかれば、いつでも駆け付けられる準備はできております。ちなみに「井上社長宅⇔私の自宅」の距離感は、「全力疾走しなくても1分切れるかもしれない」イメージです。

早速ですが本題に移って参ります。

 

「近代メジャーリーグ史上初」の「同一シーズンにおける規定打席&規定投球回ダブル到達」

2022年、最も衝撃的な歴史的偉業です。誰がこの前人未到の領域に到達したのか。勿体つけるまでもなく、「大谷翔平選手」でした。「前回に引き続きその話題か」というご意見もあろうかと思いますが、一部ご好評をいただいたと勝手ながら信じ、タイミング的にも野球シーズン終了後にブログ出番がまわって参りましたので、僭越ながら22年シーズンを振り返りたく、宜しくお願い致します。

併せて、現ソフトバンクホークス球団会長である王貞治氏の「年間本塁打数55本」を超え、バレンティン氏が持つ「日本プロ野球記録60本」に4本差まで迫った上に、史上最年少三冠王となった、23歳にして球界の至宝、「村上宗隆選手」の偉業にも触れたい思いでおります。

※文中にて敬称略としている部分がございますがご了承下さい。

<2022年シーズン 大谷選手年間成績>
▼打者成績
■打率 .273(25位) / 21年 .257
■本塁打 34(4位) / 21年 46
■打点 95(7位) / 21年 100
■盗塁 11
■OPS  .875(5位)
■得点圏打率 .314(11位)
■長打数 70(3位)
■申告敬遠 14(3位)
■本塁打率 17.24(4位)
■三塁打 6(4位)
■出塁率 .356(18位)
■長打率 .519(5位)
■塁打数 304(5位)
■得点 90(8位)
■WAR  9.4(2位) ※走攻守投球指標値合算/6.0でMVP級=22年のジャッジ・大谷両選手は異次元級
■Barrel率 16.9%(4位) ※長打になる可能性が高い打球割合
■最速打球速度 191.7km(2位)
■xwOBA  .385(4位) ※1打席あたりのチーム得点増貢献度

▼投手成績
■防御率 2.33(4位) / 21年3.18 (規定未達)
■勝利数 15(4位)/ 21年9
■奪三振数 219(3位) / 21年156
■奪三振率 11.87(1位)
■WHIP  1.01(5位)
■被打率  .203(6位)
■QS率 57.1%(9位) ※先発投手が6回以上自責点3点以内に抑えた割合
■フォーシーム平均速度 156.5(2位) ※トミージョン手術前を超える速度を記録
■wSL  23.4(2位) ※スライダーで抑止した失点増減の合計
■xERA  2.68(3位) ※打球性質も加味した投手の防御率期待値

▼その他記録
■「近代メジャーリーグ史上初」の「規定打席・規定投球回ダブル到達」
■ルース以来104年ぶり2桁勝利&2桁本塁打
■史上初1シーズン15勝&30本塁打
■史上初1シーズン200奪三振&30本塁打
■史上初1シーズン2桁勝利&2桁本塁打&2桁盗塁
■史上初1シーズン 150安打・150投球回・200奪三振以上達成
■チーム内ノーランライアン以来の6試合連続2桁奪三振

打者三冠(打率/本塁打/打点)・投手三冠(防御率/勝利数/奪三振数)の6部門中、リーグ7位以内が5部門、4位以内が4部門と、正に「マンガのような実績」となっています。「奪三振率1位で防御率・勝利数4位のピッチャーがホームラン34本って簡単に言うけどな」と、これは麻痺してはなりません。数年前までは考えさえしなかったことです。しかもメジャーで。21年との比較で「打率+1分6厘/本塁打▲12本/打点▲5打点」「防御率▲0.85(改善)/勝利数+6勝/奪三振数+63個」と、本塁打・打点は昨対ショートしたものの、他部門は全て大幅な上積みと言って良いのではないかと思います。一般論としても「総合的には21年シーズンの実績を超え、更に進化した」となっておりますが全く異論はございません。

▼大谷選手の各種傾向 ⑴:本塁打方向
■21年本塁打方向(46本):左2(4.35%)/左中3(6.52%)/中14(30.43%)/右中13(28.26%)/右14(30.43%)
■22年本塁打方向(34本):左1(2.94%)/左中4(11.76%)/中15(44.12%)/右中10(29.41%)/右4(11.76%)
■左中間+中間+右中間方向の本塁打割合:21年65.22%(30本) → 22年85.29%(29本)/差異+20.08%
■右本塁打割合:21年30.43%(14本) → 22年11.76%(4本)/差異▲18.67%(▲10本)

中間寄りの本塁打割合が前年比20%増で、右スタンドへの本塁打割合が18.6%減・本数10本減と、年間本塁打数の昨年との差異と近い本数となっている点は興味深いと思います。大谷選手自身が、「打率を3割台に上げる意識を持った時に、何本ホームランを打てるか意識した期間がある」という話をされていますが、正に「意識は数字にあらわれる」ということを体現していると感じます。

▼大谷選手の各種傾向 ⑵:打率・本塁打の月別推移
■4月:21年 打率 .283/本塁打 8 → 22年 打率 .259/本塁打 4
■5月:21年 打率 .245/本塁打 8 → 22年 打率 .240/本塁打 7
■6月:21年 打率 .309/本塁打 13 → 22年 打率 .296/本塁打 6
■7月:21年 打率 .282/本塁打 9 → 22年 打率 .205/本塁打 5
■8月:21年 打率 .202/本塁打 5 → 22年 打率 .333/本塁打 7
■9月:21年 打率 .231/本塁打 4 → 22年 打率 .302/本塁打 5

21年は6月・7月連続月間MVP以降、マークが厳しくなり8-9月は不調に陥ったイメージですが、22年は序盤やや打率不調、6月やや復調、7月に谷間はあるものの、後半から終盤にかけて高打率をマークという流れでした。22年は終盤にかけてが、前述の「打率3割台に上げる意識を持った時に、何本ホームランを打てるか意識した期間」と思われますが、本塁打は21年のような爆発月はないものの、最後までコンスタントでした。ちなみに23年シーズンからは、「ジャッジ選手と同じメーカーのバット(米チャンドラー社製)=高硬度で当てる技術があれば飛距離が伸びやすいバット」に変えたそうですが、このあたりもどういった好影響を及ぼすのか、非常に興味深いところではあります。
※アシックス社関係者の方がおられる場合は、申し訳ございません。

▼大谷選手の各種傾向 ⑶:球種割合
■21年 2,027球:スライダー20%/フォーシーム44.1%/スプリット18.3%/カーブ3.6%/カットボール12.1%/ツーシーム0%
■22年 2,629球:スライダー38.3%/フォーシーム27.7%/スプリット12%/カーブ9.3%/カットボール9%/ツーシーム3.7%
■増加球種:スライダー+18.3%/カーブ+5.7%/ツーシーム+3.7%
■減少球種:フォーシーム▲16.4%/スプリット▲6.3%/カットボール▲3.1%

「フォーシーム減→スライダー増」「スプリット減→カーブ増」「カットボール減→ツーシーム増」と、割合の増減だけ見れば相関しているようにも見えますが、球種の効果からは完全な相関性があるとは言い切れないと、素人ながらも理解しております。「何を何に置換えたのか」という視点よりも、直近のインタビューにある、「投球フォームや球種構成の変更=身体的負荷を低減させつつ、効率的に結果を出すことを重視した結果である」というお話にヒントがあると思われます。

▼各種比較
⑴ MVP・サイヤング賞受賞者(22年シーズンにて球界最高クラスの実績をあげた打者・投手)」との比較
■ジャッジ(MVP受賞):打率 .311(2位)/本塁打 62(1位)/打点 131(1位)/OPS  1.11(1位)
■バーランダー(サイヤング賞受賞):防御率 1.75(1位)/勝利数 18(1位)/奪三振数 185(11位)

⑵ 「大谷選手よりも高年俸で成績が比較的近い打者・投手」との比較
■ゲレーロJr.(年俸19億円) :打率 .274(22位)/本塁打 32(7位)/打点 97(5位)/OPS  .818(16位)
■コール(年俸43億円):防御率 3.50(13位)/勝利数 13(9位)/奪三振数 257(1位)

⑶ 日本人メジャー「本塁打30本・OPS.835以上の打者」と「15勝以上+防御率3.00未満の投手」との比較
■松井秀喜:打率 .298/本塁打 31/打点 108/OPS  .912
■松坂大輔:防御率 2.90/勝利数 18/奪三振数 154

「⑴」との比較に関して、ジャッジ選手の「本塁打62本はア・リーグ新記録で、ステロイド問題のある選手を除くと、メジャー史上最高記録」で、バーランダー選手の「防御率1.75は、コロナ短縮シーズンを除く、過去20年におけるア・リーグ最高防御率」と、流石に両選手の成績とは差があるものの、投手に専念すれば、バーランダー選手の水準は、十分に達成可能な気はします。いずれにせよ二刀流自体が、実質的には比較のしようがないものと言える点は、改めて念頭に置きます。「⑵」については、22年推定年俸ですが「ゲレーロJr.+コール両選合計=62億円」で、「大谷選手7.7億円」と、「合計推定年俸約8倍のメジャーを代表する選手2名とそれぞれ同程度の実績(守備機会は別としても)を、1人の選手が同一シーズンに達成した」と言っても過言ではない数字と見えます。「⑶」の日本人メジャー経験者比較ですが、松井・松坂両氏のメジャーキャリアハイを、1人の選手が同一シーズンに達成したと言っても差し支えない実績かと思います。

 

ここからは、ヤクルト村上選手の「三冠王達成+56本塁打達成関連」となります。

▼村上選手(2022年)・王貞治氏(1973年) 三冠王成績比較 ※左側数値:村上選手/右側数値:王氏
■打率 .318/打率 .355 →差異▲.037
■本塁打 56/本塁打 51 →差異+5
■打点 134/打点 114 →差異+20
■OPS  1.160/OPS  1.255 →差異▲.095
■出塁率 .458/出塁率 .500 →差異▲.042
■長打率 .710/長打率 .755 →差異▲.045
■四球 118/四球 124 →差異▲6
■敬遠 25/敬遠 38 →差異▲13

▼歴代三冠王達成者:8名述べ12回達成
■中島治康(巨人/1938年):打率 .361/本塁打 10/打点 38
■野村克也(南海/1965年):打率 .320/本塁打 42/打点 110
■王貞治(巨人/1973年):打率 .355/本塁打 51/打点 114
■王貞治(巨人/1974年):打率 .332/本塁打 49/打点 107
■落合博満(ロッテ/1982年):打率 .325/本塁打 32/打点 99
■落合博満(ロッテ/1985年):打率 .367/本塁打 52/打点 146
■落合博満(ロッテ/1986年):打率 .360/本塁打 50/打点 116
■ブーマー・ウェルズ(阪急/1984年):打率 .355/本塁打 37/打点 130
■ランディ・バース(阪神/1985年):打率 .350/本塁打 54/打点 134
■ランディ・バース(阪神/1986年):打率 .389/本塁打 47/打点 109
■松中信彦(ダイエー/2004年):打率 .358/本塁打 44/打点 120
■村上宗隆(ヤクルト/2022年):打率 .318/本塁打 56/打点 134

村上選手に関して、「史上最年少22歳で三冠王獲得」と、「年間56本塁打は日本人選手史上最多・全選手歴代2位」という2つの偉業を同時達成した点が、特筆に値すると思います。ちなみに村上選手は、歴代三冠王成績内比較で、打率は最下位ですが、本塁打1位・打点2位タイと、内容的にも引けを取らないものであったと思われます。他レジェンドの補足としては、野村氏は戦後初且つ唯一捕手としての三冠王達成者です。王・落合・バース3氏は2年連続三冠王達成の経験者で、落合氏の「5年間で3度の三冠王達成」はアンタッチャブルレコードの1つと言えるでしょうか。直近3回で見ますと、「バース氏→松中氏=18年振り」「松中氏→村上選手=18年振り」と18年周期の法則が生まれていますが、それぐらい「野球の成熟度アップと共に、達成確率が下がっている」ということもあるかもしれません。次回達成に最も近い選手は、やはり今のところ「村上選手ご自身ではないか」と思われます。

▼日本プロ野球 年間50本塁打以上達成者:10名延べ15回到達
■1位:バレンティン→60本
■2位:村上宗隆→56本
■3位:王貞治→55本
■3位:ローズ→55本
■3位:カブレラ→55本
■6位:バース→54本
■7位:野村克也→52本
■7位:落合博満→52本
■9位:小鶴誠→51本
■9位:王貞治→51本
■9位:ローズ→51本
■12位:王貞治→50本
■12位:落合博満→50本
■12位:松井秀喜→50本
■12位:カブレラ→50本
※50本到達回数:王(3回)/落合・ローズ・カブレラ(2回)/バレンティン・村上・バース・野村・小鶴・松井 (1回)

▼メジャーリーグ 年間50本塁打以上達成者:30名延べ47回到達 ※()内数値は年間本塁打数
■4回:B・ルース(60・59・54×2回)/M・マグワイア(70・65・58・52)/S・ソーサ(66・64・63・50)
■3回:A・ロドリゲス(57・54・52)
■2回:K・グリフィーJ(56×2回)/A・ジャッジ(62・52)/J・フォックス(58・50)/M・マントル(54・52)
/R・カイナー(54・51)/W・メイズ(52・51)
■1回:B・ボンズ/R・マリス/G・スタントン/R・ハワード/H・グリーンバーグ/L・ゴンザレス/H・ウィルソン
/D・オルティス/J・バティスタ/C・デービス/P・アロンソ/G・フォスター/J・トーミ/C・フィルダー/J・マイズ
/A・ジョーンズ/P・フィルダー/A・ベル/G・ボーン/B・アンダーソン

打者としての1つの金字塔と言える、年間50本塁打達成者に関してですが、こちらも日米共に引退から比較的年数の経過したレジェンドの方々が多い点も踏まえ、少し視点を変えまして、「年間50本塁打経験者の指導者転身がメジャーでは少ない理由の調査」をメインとして進めて参ります。

▼50本塁打経験者における日米監督実績
■監督としての日本シリーズ優勝経験者3名(3/10=30%) / 監督としてのワールドシリーズ優勝経験者無し(0/30)
■日本プロ野球 50本塁打経験者の通算監督成績
▪野村:通算 1,565勝 1,563敗/勝率 .500/リーグ優勝 5回/日本一 3回/24年間
▪王:通算 1,315勝 1,118敗/勝率 .540/リーグ優勝 4回/日本一 2回/19年間
▪落合:通算 629勝 491敗/勝率 .562/リーグ優勝 4回/日本一 1回/8年間

日本球界では、王・野村・落合3氏が、「年間50本塁打経験者且つ、NPB一軍監督として日本シリーズ優勝経験者」となっていますが、これは23年2月現在で50本経験者の30%となります。メジャーでは、年間50本経験者の中で、メジャー監督経験者はゼロで(ジミーフォックスが女子リーグ、フィルダー父が独立リーグの監督経験有り)、メジャー打撃コーチ経験者でも、マグワイヤ・ボンズ・デービス3氏ら数名程度で割合は低めです。これらに関する推測的要因を簡単にですがリサーチしてみました。※補足:あくまでも諸々の情報からの「推察」がメインである点はご了承下さい。また、下記⑴~⑷は一般的にもよく語られる内容に、少しだけ私の見解をプラスしたもので、⑸⑹は勝手ながら、私なりの持論がメインとなっておりますので、まずまずのバイアスがかかっております。

⑴ 選手実績と指導者実績に対する考え方の影響
一般的によく言われるのは、メジャーの方が「選手実績と指導者実績は基本的に別物(別ルート)と考える文化的背景が強い」という点です。「選手実績は乏しくとも引退後に指導者を目指し、マイナーリーグ等で地道に経験を積み『メジャーコーチへ昇格→監督に抜てき』というのが基本路線」との概念らしいです。ただこれは、時代の変化や各チーム事情等も影響するため、あくまでも参考程度の情報として捉えております。また、商売の世界においても「プレーヤー」と「マネジャー」に求められる資質・能力は、「本質は同じでも種類が違う」と考えていますが、それも間接的には関係している可能性はあるかもしれません。

⑵ 指導者経験を積む場所の供給率
こちらもよく出る話ですが、「メジャー30チーム+マイナー240チーム=プロとしての指導者経験を積める場」と、プロ野球選手人数比を勘案しても、日本より米国の方が「プロのコーチ・監督としての就職先」が多いと思われるため、指導者としてのキャリアを積み上げるチャンスは多いかもしれません。「棟梁として」という観点からは、「スター選手として破格の選手実績を上げて、40歳前後になって引退したマネジメント未経験者」よりも、「選手実績は低くとも、人材育成やチームマネジメントを、比較的若年時から現場で実践的に学び試行錯誤してきた人達」が勝ることは十分にあり得ると思います。これは「まずまずの年齢まで、一営業マンとして大きな成果を収めてきたマネジメント未経験者」と、「若年時から営業チーム全体の成果を追求し試行錯誤してきた人」におけるギャップにも近しい話と感じます。(勿論、どちらが良い悪いという話ではございません)

⑶ 生涯賃金の差異による影響
日本プロ野球とメジャーでは、現役時代に稼げる平均額に大きな差があるとの点ですが、永続的に高水準の生活が確保できる元スター選手が「勝てば官軍負ければ賊軍にもなりかねない指導者業を、苦しんでまでやりたくはないとなる可能性の発生確率」はメジャーの方が高いかもしれません。とはいえ(レートや物価は別として) 、王・野村・落合3氏の場合も「現場」に帰還せずとも、(勝手な想像で恐縮ですが)かなり高収入を得られる、むしろ戻った方が年収ダウンであった可能性もあり、「現場への本能的回帰(やっぱり野球が好き)・選手指導者両面での実績が必要な伝統的背景(選手引退後も戦いは続く的な)」等々、我々には見えない何かがあるかもしれません。もう一点、やや逆視点の話しとはなりますが、近年のメジャーは特に、セイバーメトリクス重視(統計学的なデータ分析・活用を重視したマネジメント手法)の傾向もあり、「監督=データアナリストからの分析結果をもとに、選手に上手く伝えて気持ち良くプレーさせるのがメイン業務の中間管理職=そういった意味でのイエスマンであるべき論」の傾向がより強まっているとの見解も一部ありますが、これは「指導者経験不足であるものの監督をやってみたいスター選手級」にも門戸を開く可能性もあるようには思います。こちらもあえてビジネスに置換えて、より現実的な観点を入れますと、「ほぼ個人事業主として莫大な資産を築いてきた人が、これまでよりも低年収で、これまでの功績を吹き飛ばすかもしれないリスクをとってまで、一企業の中間管理職として再就職したいか」と問われれば、「ちょっと考えますわ」となることは大いに考えられるとは思います。(こちらは決して中間管理職に対するネガティブな意味合いではございません)

⑷ 手厚めの年金制度の有無
メジャーでは基準を満たせば生涯にわたって2,000万円ほどの年金が毎年支給されると言われておりますが、ここは年金制度が廃止された日本プロ野球界との違いで、勤続年数基準を満たしたスター選手になるほど、最低限の生活保障が確定する上に、生涯年俸分を散財していなければ、金銭的には悠々自適な生活が待っているということと思われます。

⑸ 「メンバーシップ型志向」と「ジョブ型志向」的なものの影響
野球とは関係なく、最近話題となりがちな、日米における雇用システムの相違に関する部分ですが、本来的には野球界において「メンバーシップ型(日本的)とジョブ型(アメリカ的)と単純化するのは危険」とは思いますが、一旦イメージも含めた部分として、プロ野球の世界でも近しいものがあるかもしれないと解釈した上で話を進めて参ります。10年ほど前にはなりますが、日本の有名球団における監督解任にあたり、オーナーサイドの見解として、「同グループ内での、現場監督・球団フロント・テレビ解説者等のサイクルにおける、単なる人事異動(ジョブローテ)である」と捉えられる発言があり、かなり物議を醸しましたが、個人的には「なるほどな」となりました。「日本→球団内の人事異動という考え方が一部ある文化?」「メジャー→経験を経てプロ指導者になるというのが基本路線という文化?」と、自信がないので「?マーク」を付けた上で、全てが全て当てはまる訳ではないという前提のもとですが、やや強引にまとめますと、人事制度や雇用システムにおける考え方の違いからくるものもあるのかもしれません。

⑹ 監督にも人気からくる収益性を求める度合いの影響
日本球界においては、「生え抜きスター選手が引退と同時に監督に就任する、ないし監督候補として現場要職に就く」というパターンが、まずまずありますが、これはメジャーではレアケースと言えると思われます。日本プロ野球界におけるオーナー企業の集客戦略として、固定客層を持っている元スター選手を、人気が高止まりしているうちに、現場マネジャーとして配置するという考え方が背景の1つにあるでしょうか。

大谷・村上両選手の偉業を称えつつ、最後の方は急に、リアルな職業的側面の話となりましたが、事業・組織的観点からも色々と学びのあるものとして、「職業野球」 は非常に興味深いなと、個人的には捉えております。ここまで読んでいただいた皆様、心より感謝申し上げます。

 

次回は、来期入社8年目、巣ごもり需要下における拡販にて、大いに社会貢献を果たした新進気鋭のEX課長です。

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