2021年12月2日: 野球人

【エクスショップ ジン】

 

エクスショップの神でございます。

 

宮内さん、こちらこそ、無理難題を突き付けていることも多々ある中、
いつも迅速・確実・丁寧な対応を頂き、本当に有難うございます。
その真摯な姿勢は、戸ノ本さんにも受け継がれているのではないでしょうか。
そしてこれからも宜しくお願いします。

キャンプは良いですね。ちなみに私は焚火を囲んで語り合うのが昔から好きです。

 

ところで唐突ですが、私は「野球人」という言葉が好きです。「野球人」と呼ばれる
方々に今でも憧れを抱きます。野球経験は子供時代のお遊び程度しかなく、
公式戦経験は、地域子供会ソフトボールリーグ戦における「5番・ セカンド」のみです。
(野球ちゃうやん、実質ほぼ経験無しやんけとの突っ込みを覚悟)よって、
一般的に言われる「野球人」ではありません。(分かっとるわいとの突っ込みを想定)

■「野球人とは」 → 野球界にいる人。特に、野球選手。

念のため「野球人とは」を辞書で引いてみました。上記結果でしたので、私はやはり野球人ではありません。
ただ、野球を見ることは好きです。そしてそれに匹敵するぐらい、野球選手のデータを調べるのが好きです。

これは学生時代からの趣味のようなもので、大学時代のゼミの論文で「プロ野球における選手の貢献度」
みたいな題材で、主要指標をベースとしつつ、打順毎・前後打者実績からのバイアス調整等も加えて、
前年のプロ野球各選手実績から、烏滸がましいながらもランク付けさせて頂いたのですが、
それはイチロー氏が二年連続二度目の首位打者、野村謙二郎氏がトリプルスリー
(同一シーズンでの3割30本30盗塁)を達成した年で(記憶違いであれば申し訳ありませんが)、
色々と調整したとしても、やはりご両名がトップランク打者で、「やっぱりそうなるか」と一人で少しだけ
感動したと記憶しています。というぐらい、とにかく昔からプロ野球データを見るのが好きでした。

もう少し深堀りしますと「環境・意識・努力・技術」等々、人々の営みにおける様々な要素が合わさって
「実績は作られる」とした場合、それらを可視化できる手法がデータ化であり、そう考えますと私は
数字自体に興味があるというよりは、「人そのものに関心がある」ということなのかなと自己分析しています。

前振りはこのぐらいにしまして、本日の話題は「大谷選手の大偉業と偉大なる野球人の方々に関して」となります。

※補足:以降に記載しているデータに関しては、「目視+手動」となるため、抽出ミス・記載ミスもあるかとは
思いますが、その点はご容赦頂ければ有難く思います(個人的にこっそりとご指摘頂ければ、ひっそりと
修正させて頂きます)。また、専門家ではないため、記載内容はあくまでも「個人の感想」程度で捉えて
頂ければ幸いです。併せて、敬称略等も含め、多少失礼な表現もあるかと思いますが、その点もご了承下さい。
いずれにせよ、偉大なる野球人の方々へのリスペクトは忘れません。

 

シーズンオフとなりましたが、「張本氏のサンデーモーニング卒業&江川氏のGoing卒業」
「清原氏の新庄ビックボス(監督)批判からの炎上」等々、球界OBの方々においても、
話題盛りだくさんの野球界ですが、また、93年 日本シリーズ優勝時の野村克也さんの言葉
「感謝・感謝・感謝」を引用したとされる、
高津監督のヤクルト優勝会見でのコメント、松坂大輔さん
の引退会見における、2008年オークランドで右肩を痛めた事故が、後の10年に影響を与えたことの
告白等々、今シーズンも、歓喜と哀愁が交錯する様々なドラマが展開された年でしたが、やはり野球
をテーマにする以上は、「大谷選手」に触れないわけにはいかないということで、
データも交えつつ話を進めて参ります。

「同じ時代を生きられたことを、心から感謝している」

と大袈裟でなく思っております。改めて、毎日の楽しみを提供頂き、また、歴史的瞬間の数々を
過去ではなく、現在の出来事として体感させて頂き、本当に有難うございました、大谷選手。
と危うく「これにて終了」となりそうな雰囲気でしたが、ここから本題に入って参ります。

まずは、大谷選手を含む、日本人メジャー経験者(打者・投手)の歴代通算記録ランク上位
の方々における、日本時代との対比から見ていきたいと思います。

 

<メジャー経験者 日本人野手 OPSキャリアハイシーズンの実績>

□メジャーでの歴代安打数トップ10選手+話題のビッグボス。名前横()内はメジャー通算安打順位。
□有効且つ比較的分かり易い打者評価指標とされる「OPS」のキャリアハイシーズンを基準とした。
□OPS=出塁率+長打率=得点の起点度合い+より多く次の塁に進んだか=得点への貢献性。
□出塁率=(安打数+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)=どれぐらい出塁したかの指標値。
□長打率=塁打数÷打数=どれだけ多くの塁打数を稼げるかの指標値。
□記載データ:左側数値=メジャーリーグでの実績/右側数値=日本球界での実績。
□OPS欄()内は下記ランクをベースに記載。
A:素晴らしい → .9000以上
B:非常に良い → .8334~.8999
C:良い → .7667~.8333
D:平均 → .7000~.7666
E:平均以下 → .6334~.6999

■大谷翔平(9位):マンダラチャートを愚直に実践。「運気引き寄せ=どこでもゴミ拾い」がアメリカでも注目の的。
▪打率:.257/.322/差異▲.065
▪本塁打:46/22/差異24
▪打点:100/67/差異33
▪盗塁:26/7/差異19
▪OPS:.964(A)/1.004(A)/差異.▲040

■イチロー(1位):シーズン最多安打記録前保持者ジョージ・シスラーのお墓参りに涙。
現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター+草野球チーム「KOBE CHIBEN」
オーナー兼監督兼エース。説明不要の全世界野球史上最も偉大な打者の1人と思う。
▪打率:.372/.387/差異▲.015
▪本塁打:8/12/差異▲4
▪打点:60/73/差異▲13
▪盗塁:36/21/差異15
▪OPS:.869(B)/.999(A)/差異▲.130

■松井秀喜(2位):甲子園の怪物→長嶋監督邸練習伝説→巨人の4番→黄金期ヤンキース主軸
→ワールドシリーズ MVP=漫画級のストーリーを体現。ちなみに私の父親の高校の後輩(小さな自慢)。
▪打率:.298/.334/差異▲.036
▪本塁打:31/50/差異▲19
▪打点:108/107/差異1
▪盗塁:3/3/差異0
▪OPS:.912(A)/1.153(A)/差異▲.241

■青木宣親(3位):日本プロ野球史上、歴代2位の通算打率.319。メジャー通算打率
もイチローに次ぐ2位の.285。イチローを除く、近年最高のアベレージヒッターか。
▪打率:.288/.358/差異▲.070
▪本塁打:10/14/差異▲4
▪打点:50/63/差異▲13
▪盗塁:30/19/差異11
▪OPS:.787(C)/.944(A)/差異▲.157

■松井稼頭央(4位):実は私の隣町中学出身で同い年、中学時代は腕相撲強すぎる伝説有り
(面識はありませんが)。現西武ヘッドコーチ。
▪打率:.272/.332/差異▲.060
▪本塁打:7/36/差異▲29
▪打点:44/87/差異▲43
▪盗塁:14/33/差異▲19
▪OPS:.727(D)/1.006(A)/差異▲.279

■福留孝介(5位):PL学園出身者として、松井稼頭央氏に次ぐ通算安打数記録保持者。
▪打率:.263/.351/差異▲.088
▪本塁打:13/31/差異▲18
▪打点:44/104/差異▲60
▪盗塁:7/11/差異▲4
▪OPS:.809(C)/1.091(A)/差異▲.282

■井口資仁(6位):大学で三冠王、日本シリーズ・ワールドシリーズ両方での優勝経験有り。
現ロッテ監督。
▪打率:.278/.340/差異▲.062
▪本塁打:15/27/差異▲12
▪打点:71/109/差異▲38
▪盗塁:15/42/差異▲27
▪OPS:.780(C)/1.011(A)/差異▲.231

■城島健司(7位):引退後は「釣り人」からの「ソフトバンク会長付特別アドバイザー」。
早く戦場に立って欲しい。「野球は苦行、楽しいなどと思えるはずがない」
という引退後のコメントが心に残る。
▪打率:.291/.338/差異▲.047
▪本塁打:18/36/差異▲18
▪打点:76/91/差異▲15
▪盗塁:3/6/差異▲3
▪OPS:.783(C)/1.087(A)/差異▲.304

■岩村明憲(8位):福島レッドホープス監督兼社長。
▪打率:.285/.300/差異▲.015
▪本塁打:7/44/差異▲37
▪打点:34/103/差異▲69
▪盗塁:12/8/差異4
▪OPS:.770(C)/.966(A)/差異▲.196

■田口壮(10位):現オリックス外野守備走塁コーチ。「がんばろうKOBE」の象徴の1人。
▪打率:.288/.294/差異▲.006
▪本塁打:8/10/差異▲2
▪打点:53/56/差異▲3
▪盗塁:11/7/差異4
▪OPS:.734(D)/.767(C)/差異▲.033

■新庄剛志(11位):現日本ハムの「ビッグボス」、発言は意外と王道。破天荒な球歴からの、
監督としても優勝したら歴史的な「漫画級の体現者」となると思う。
▪打率:.268/.298/差異▲.030
▪本塁打:10/24/差異▲14
▪打点:56/79/差異▲23
▪盗塁:4/1/差異3
▪OPS:.725(D)/.835(B)/差異▲.110

錚々たるメンバーとなりましたが、日本におけるキャリアハイを総合的に超えた、
もしくは同程度の水準と言えるのは、「イチローさんと大谷選手」だけかなと思います。
勿論各チーム事情や求められる役割等々の変化もあり、単純に比較はできませんが、
やはりメジャーで日本時代同様の超一流の実績を残すのは至難の業であるのかと思います。
イチローさんと大谷選手を比較するのは打者特性から難しいですが、松井秀さんとの比較でいくと、
総合的には大谷選手の実績が上回ったとしても問題ないかもしれません。

そう考えると、投手としてもエース級の仕事をしながら、松井秀さんのキャリアハイ
を超えたことは驚異的な結果であったと、改めて感動を覚えます。また、日本ではトリプルスリー
を狙えるメンバーが大半ですが、メジャー成績的には皆さん似通った感じになっている点も
興味深いなと思います。ただ、皆さん総合的には歴史に残る大打者である点は間違いないと、
改めて敬意を持ちました。大谷選手以外では、イチローさんの「打率.372」と、
松井秀さんの「ほぼ3割30本100打点」は別格であったなと改めて感じました。
松井秀さんに関しては、ヤンキース入団当初、マスコミからは「ゴロキング」
と揶揄され、名物オーナーからも徹底的に酷評されましたが、信頼と愚直さを重んじたトーリ監督、
同学年でウマがあったとされる、ジーターさんからのフォロー等も、寄与したのかなと勝手ながら考えています。

 

<メジャー経験者 日本人投手 防御率キャリアハイシーズンの実績>
□メジャー通算勝利数ランキングから抽出。名前横()内数値はメジャー通算勝利数順位。
□各実績は防御率キャリアハイのシーズンから抽出。
□記載データ:左側数値=メジャーリーグでの実績/右側数値=日本球界での実績

■大谷翔平(20位):報道で見ただけで真実は分からないが、「マドン監督のマネジメント
・通訳水原さんの献身・新旧大打者トラウト&プホルスの支援・うるさ型OBオルティス
・サバシア・Aロッド3氏からの賞賛」等々、これらもマンダラチャートの
「運気を引き寄せる→応援される人間になる」を積み重ねた効果か。
▪防御率:3.18/2.24/差異0.94
▪勝利数:9/15/差異▲6
▪勝率:.818/.750/差異.068
▪奪三振:156/196/差異▲40

■野茂英雄(1位):いまだ日本人メジャー経験者唯一の100勝越え投手。
NOMOベースボールクラブ代表理事+パドレスアドバイザー。近鉄入団から
4年連続最多勝+奪三振王の偉業×日本人メジャーリーガーのパイオニア。スケールが大きい。
▪防御率:2.54/2.66/差異▲0.12
▪勝利数:13/18/差異▲5
▪勝率:.684/.692/差異▲.008
▪奪三振:236/228/差異8

■黒田博樹(2位):日本124勝+メジャー79勝=203勝。プレッシャーのきついヤンキース
でも3年連続2ケタ勝利+防御率3点台。爆発的ではなくとも、安定感は当該メンバー内
でも屈指の存在であったと思う。
▪防御率:3.07/1.85/差異1.22
▪勝利数:13/13/差異0
▪勝率:.448/.684/差異▲.236
▪奪三振:161/144/差異17

■ダルビッシュ有(3位):ツイッターフォロワー260万人+ユーチューブ登録者数90万人超と、
もはや芸能人。アメリカ流に言えば「球界最高のロックスター」。2020年はコロナによる
短縮シーズンとはいえ、最多勝獲得+サイヤング賞最終候補。
▪防御率:2.83/1.44/差異1.39
▪勝利数:13/18/差異▲5
▪勝率:.591/.750/差異▲.159
▪奪三振:277/276/差異1

■田中将大(4位):2013年楽天日本一となったシーズンの、「24勝無敗・防御率1.27」
は伝説過ぎる。日本球界での 50勝以上投手における通算勝率は、
斉藤和巳氏→沢村栄治氏に次ぐ3位。今シーズンはやや残念だったが援護率が異常値であったと思う。
▪防御率:2.77/1.27/差異1.50
▪勝利数:13/24/差異▲11
▪勝率:.722/.1.000/差異▲.278
▪奪三振:141/183/差異▲42

■岩隈久志(5位):浮き沈みのあった日本時代よりも、メジャー時代の方が、安定感があった印象。
現マリナーズ特任コーチ。
▪防御率:2.66/1.87/差異0.79
▪勝利数:14/21/差異▲7
▪勝率:.700/.840/差異▲.140
▪奪三振:185/159/差異26

■前田健太(6位):広島時代6年連続2ケタ勝利、ドジャース時代4年間で2ケタ勝利3回、
勝てるピッチャー。PL出身者最高勝利数保持者桑田氏の173勝まで残し17勝。200勝まで44勝。
▪防御率:3.48/1.53/差異1.95
▪勝利数:16/14/差異2
▪勝率:.593/.667/差異▲.074
▪奪三振:179/171/差異8

■松坂大輔(7位):高卒入団初年度から3年連続最多勝は史上初の偉業。WBC最優秀選手2回。
キャリア終盤はバッシングを浴び続けたが、やはり球史に残る「特別な存在」ではないかと思う。
ちなみに私の妻は「松坂世代」である。
▪防御率:2.90/2.13/差異0.77
▪勝利数:18/17/差異1
▪勝率:.857/.773/差異.084
▪奪三振:154/200/差異▲46

二刀流の特性上、規定投球回数に到達するのは、なかなか難しいのかなとは思うため、
これまた単純比較はできませんが、勝利数は伸び悩んだものの、総合的な数字の印象
からは他メンバーと特段遜色のない結果であると思われます。大谷選手以外の皆さん
のキャリアハイは、各チームエース級の実績であり、46本塁打・100打点・26盗塁
しながら、エース級の投手成績を残したことは、これまた驚異的なことであったと
改めて思います。また、投手の皆さんも日本時代の最高成績からは概ねダウン
している点、2年目あたりまでがピークで故障等が発生している点、
これらを踏まえますと、改めて「やっぱり野茂さんスゲー」となりました。
メジャー移籍から10年間で、12勝以上7回、内16勝以上3回、最多奪三振2回、
ノーヒッター2回は、今後も当面は破られない実績ではないでしょうか。

 

続いては、メジャー歴代通算本塁打数トップ5の方々の打撃成績を見つつ、
「どんだけすごいねん」となりながら、大谷選手の今シーズン成績と対比
するとどうなのかを見ていきたいと思います。

<メジャー 通算本塁打歴代トップ5  OPSキャリアハイシーズンの打撃成績>
□メジャー通算本塁打順位順。各指標横()内数値はキャリアハイ実績。

■バリー・ボンズ:通算本塁打762/1シーズン敬遠120個!出塁率.609!
長打率.863!改めて見て驚愕。700本塁打+500盗塁も含めアンタッチャブルレコード
の宝庫。ただ、ステロイド問題で未だ殿堂入り出来ず、資格最終年が近付く。
これがなければ人類史上最も偉大な打者と見る人も多かったはず。
▪打率:.362(.370)
▪本塁打:45(73)
▪打点:101(123)
▪盗塁:6(52)
▪OPS:1.422

■ハンク・アーロン:通算本塁打755/王会長が越えるまで本塁打世界記録保持者。
球界の薬物汚染には強烈な嫌悪感を示されていたらしい。
▪打率:.327(.355)
▪本塁打:47(47)
▪打点:118(132)
▪盗塁:1(31)
▪OPS:1.079

■ベーブ・ルース:通算本塁打714/野球の神様・世界一有名な野球選手。
存在自体がアメリカンカルチャーの1つと言えると思う。
▪打率:.376(.378)
▪本塁打:54(60)
▪打点:137(150)
▪盗塁:14(17)
▪OPS:1.382

■アレックス・ロドリゲス:通算本塁打696/ファイブツールプレイヤーの代表格。
今期から殿堂入り投票対象だがステロイド問題がどう出るか。最近は解説者
として評価が高いらしい。ちなみにAロッド・上原・高橋由・タイガーウッズ・私は同い年。
▪打率:.314(.358)
▪本塁打:54(57)
▪打点:156(156)
▪盗塁:24(46)
▪OPS:1.067

■アルバート・プホルス:通算本塁打679/メジャーデビューから
10年連続3割30本塁打100打点の偉業達成者。禁止薬物疑惑が無く且つ、
1990年代以降の選手に絞ると、最高の打者と言えるのではないかと思う。
▪打率:.357(.359)
▪本塁打:37(49)
▪打点:116(137)
▪盗塁:7(16)
▪OPS:1.114

単年実績もそうですが、歴代通算トップ5ですから、その継続性の方がむしろ偉大であるため、
現時点で大谷選手と対比することにあまり意味は無いとは思いつつ、気になったので集計
してみました。「世代の差・諸問題」を抜きにすれば、ボンズさんは「もはや人間じゃない」
といった感じです。日本での出塁率シーズン記録は、落合さんの.487みたいですが、
「.609ってどんなんやねん」としか言いようがなく、体感的には「あいついっつも塁上におるなあ。
休む暇なしやなあ。だるないんかなあ」って、旧藤井寺球場の親父さんらは言いそうです。

「長打率.863」も同様ですが、日本では「バレンティン・バース・落合・王・カブレラ」5氏が.750以上
を達成していました。結構.750超はあるんだなあと思ったものの、「いやいや.863やで。どんなんやねん」
と直ぐに戻りました。ここにきて急激に大阪弁率が高まっておりますが(ボンズさんへのあいつ呼ばわりは
あくまでも演出の一環、藤井寺球場の想像は愛着を込めてとご理解頂ければ幸いです)、それぐらい
表現しようがないアンタッチャブルな記録であるということでご容赦下さい。ちなみにボンズさんが
73本塁打を記録した年の安打数は156で、構成比46.7%とほぼ半数、よってこれも体感的には
「あいついっつもホームランやなあ。気持っちええやろなあ。給料なんぼもうとんねん」って、
旧西宮球場の親父さんらは言いそうです。ちなみに大谷さんの今シーズンは、
46本塁打/138安打/構成比33.3%ですが、それでも一時は「毎打席本塁打」の印象でしたので、
ボンズさんの記録イヤーはすごかったと思います。

ボンズさんの話題でかなりの尺をとりましたが、「ハンク・アーロン&ベーブ・ルース」両氏は、
伝説上の人物的な感覚ですので、割愛させて頂くとして、Aロッドさんは正にセンスの塊
というイメージですが、プライベート含め色々言われたのは(現在進行形ですが)、
超高額契約からの妬み的標的(からの話題提供者としての価値の高さ)になった部分
もあったかもしれません。解説者としてはかなりの高評価のようですので、一度聞いて
みたいですが、いかんせん私は英語力ゼロなため、またそのために英語学習をする程
の気概はないため、「解説上手いらしい」という知識レベルで終わりそうです。

プホルスさんはスキャンダルが無いイメージで「人格者」的な評価が多いので
はないでしょうか。実質、大谷選手の入団により、追われるようにドジャース移籍
となりましたが、それ以降もホームランダービー時に電話でアドバイスする等、
気にかけてもらっているようです。選手としては終盤となっていますが、
将来の殿堂入りは100%確実レベルと思われます。前述の「メジャーデビュー
から10年連続3割30本塁打100打点」に関して、イチローさんの「10年連続200安打」
に匹敵するぐらい、すさまじい記録と個人的には思います。大谷選手との対比ですが、
本塁打・打点・盗塁だけでいくと、左程遜色がない(打点は他者依存要素が高い点も
含め)と言えなくはないと個人的には思います。打率の問題は多少あるとしても、
投手成績も加味すれば、インパクトとしてはやはり、トップ5キャリアハイシーズンをも
凌駕する活躍であったと見ることも出来そうです。ここからは偉大なる先人のように
「継続」がテーマとなるでしょうか。

 

続きましては、日本球界における本塁打歴代トップ5に入る、大打者の皆様に関してとなります。

<日本球界 本塁打歴代トップ5 OPSキャリアハイシーズンの実績>
□通算本塁打順位順。各指標横()内数値はキャリアハイ実績。

■王貞治:通算本塁打868/通算本塁打数世界一。監督としても日本一2回・第一回WBC優勝と、
成功された。故青田昇氏曰く、「ワンちゃん(王会長のあだ名)は徹夜マージャンの時は一晩
でヘネシー2ボトルは空ける」のが定番だったらしい(信憑性は不明)。いずれにせよ
「最も尊敬を集める野球人」で大半の方が異論無しと思われる。
▪打率:.332(.355)
▪本塁打:49(55)
▪打点:107(124)
▪盗塁:1(10)
▪OPS:1.293

■野村克也:通算本塁打657/自他共に認める教え子から監督経験者多数。
信条とされた「財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり」を実践された。
阪神監督時代は「特有のタニマチ文化が選手の意識を劣化させる」として痛烈に
批判されており、その後、そういったものも含め剛腕で払拭した(と勝手に想像している)
星野仙さんも、「阪神での優勝は野村さんのおかげ」とのコメントを晩年残されている。
マスコミとの対話と運用方法をノウハウ化した監督としても知られる。堀江氏(ホリエモンさん)が、
球団買収騒動の際に、監督候補として面談した感想として、「メチャクチャ頭の良い人。
こんな人が野球界にいるのか」と素直に思ったというエピソードは有名。
▪打率:.291(.320)
▪本塁打:52(52)
▪打点:135(135)
▪盗塁:4(13)
▪OPS:1.001

■門田博光:通算本塁打567/藤井寺での南海戦は何回か見に行ったが、試合内容よりも
鮮烈だったのは藤井寺名物「強烈なヤジ」。門田さんは普通にヤジに反撃していた。
「笑かそうとしてんのかこの人ら」と子供心で思っていた。野村さんとの確執は有名だが、
通算本塁打も打点も野村さんに迫る3位。もしかしてそこはモチベーションであったのか。
▪打率:.313(.317)
▪本塁打:44(44)
▪打点:105(125)
▪盗塁:4(6)
▪OPS:1.086

■山本浩二:通算本塁打536/ミスター赤ヘル。初代ファミスタでは、
よしひこ(高橋慶彦)出塁→盗塁、こばや(小早川)・こうじ(山本浩)連打からの、
きぬかさ(衣笠)まで繋ぐのが定石(だったような)。
▪打率:.336(.336)
▪本塁打:44(44)
▪打点:112(113)
▪盗塁:14(25)
▪OPS:1.159

■清原和博:通算本塁打525/紆余曲折ありながらも、通算本塁打5位はやっぱりすごい。
大阪人としてシンパシーを感じる。巨人移籍が人生を変えたか。「巨人から受けた
屈辱を忘れないためタトゥーを入れようとするも、母上に叱られダイヤのピアスに変更」
は有名な話だが、この辺りから変わっていったイメージ。
▪打率:.307(.307)
▪本塁打:37(37)
▪打点:94(121)
▪盗塁:11(11)
▪OPS:1.068

 

ここからは、大谷選手と野球の神様に関してとなります。

<大谷(2021年)/ベーブ・ルース(1919年)の二刀流実績>
□左側数値=大谷/右側数値=ベーブ・ルース

■打率:.257/.322/差異▲.065
■本塁打:46/29/差異17
■打点:100/114/差異▲14
■盗塁:26/7/差異19
■OPS:.964/1.113/差異▲.149
■防御率:3.18/2.97/差異0.21
■勝利数:9/9/差異0
■勝率:.818/.643/差異.175
■奪三振:156/30/差異126

100年以上の年代差・時代背景・用具の質・野球自体のレベル感の違い等があり、
また、反面どの時代においてもプロの世界で結果を出すことの難しさは変わらない
のではないかといった感覚も踏まえると、ご両名を比較することに意味があるの
かとは思うものの、興味があったので比較してみました。よく引き合いに出される
ルース氏が10勝・10本塁打以上を記録した年よりも、1919年の記録の方がより
「二刀流感がある」との独断のもと、上記としていますが、難しく考えずに
「数字からの印象だけ」で見ると、本塁打・盗塁・奪三振で大谷選手が圧倒
しているものの、総合的にはご両名共に遜色ないのではと感じました。
「野球のレベルは圧倒的に現代の方が上」という概念を入れると、
単年比較においては、大谷選手の方が上回っていると見てもおかしくはないと思います。
ただ、いずれにせよご両名ともに驚異的な成績である点は異論がないところでしょうか。

 

こちらは、今シーズンのア・リーグMVPファイナリストの打撃成績と、大谷選手の投手成績となります。

<ア・リーグMVPファイナリスト打撃成績>
□(左=大谷/中央=ゲレーロJr/右=セミエン)

■試合数:155/161/162
■打率:.257/.311/.265
■打数:537/604/652
■得点:103/123/115
■安打:138/188/173
■二塁打:26/29/39
■三塁打:8/1/2
■本塁打:46/48/45
■塁打:316/363/351
■打点:100/111/102
■三振:189/110/146
■四球:96/86/66
■死球:4/6/3
■敬遠:20/7/2
■盗塁:26/4/15
■出塁率:.372/.401/.334
■長打率:.592/.601/.538
■OPS:.964/1.002/.873

ゲレーロJr・セミエン両選手のプレーをほぼ見たことがないのですが、
両者数字から受ける印象としては、やはりゲレーロJr選手が打撃成績
の質として圧倒していると思いました。選球眼の良さは「野生児」と
言われた大打者の父上と似たところがあるのでしょうか。本年度レベル
の成績を数年継続し軌道に乗れば、将来殿堂入りするぐらいの偉大
な選手となる可能性はあるのかもしれません。打者単独対決でのMVPは
厳しかったとは見えますが、打率を除く打撃成績において極端な差はない上に、
投手成績プラスで、満票でのMVPは至極妥当であったのではないかと改めて思いました。

大谷選手のホームランにおける打球方向は、「前半戦:逆方向15%/センター37%/引張り48%」
「後半戦:逆方向0/センター23%/引張り77%」だったらしいですが、
「大谷さえ抑えれば勝てる理屈→大谷過剰警戒→敬遠・四球攻め+審判シビア判定」
という流れの中で、これら「外部要因」に対しての苛立ちと、本塁打王への執念があって、
バランスを崩された時期があった結果とは思いますが、終盤は明らかに切り替えて復調された
印象でした。何かをリセットする際の「本来の自分自身の強みを思い出す+基本を重視する」
というスタンスは、商売においても大切だなと学ばせて頂きました。大谷選手有難うございます。

 

<大谷選手  投手成績>
□順位はリーグ基準。規定投球回未到達であるため参考値。
□K/BB=奪三振と与四球の比率を表す指標。値が大きいほど制球力に優れた投手とされる。
□WHIP=1イニングあたり何人の走者を出したかを表す指標。
□P/IP=1イニングあたりの投球数を表す指標。値が小さいほど投球効率に優れた投手とされる。
□QS(クオリティスタート)=先発として6回3自責点以内の試合数。どれだけ試合を作れたかを示す。
□援護率=登板中における自軍の9イニング換算平均得点。

■試合数23
■防御率3.18(3位相当)
■勝利9(29位)
■敗戦2
■勝率.818(9勝以上投手の最高勝率)
■投球回130
■奪三振156
■奪三振率10.77(4位相当)
■被打率.207(2位相当)
■K/BB3.55(9位相当)
■WHIP1.09(4位相当)
■P/IP15.55(3位相当)
■QS14(12位相当)
■援護率4.42(100回以上登板57人中42位=援護は下位=勝利数は伸びにくい)

 

最後にややマニアックな記録と、受賞関係のまとめとなります。

<大谷選手 他データ>
□平均飛距離:60.96m/5位
□打球速度平均:150.9km/h/5位
□打球速度最高:191.5km/h/3位
□本塁打平均飛距離:126.8m/5位
□本塁打最長飛距離:143.3m/3位
□バレル率:22.3%/メジャートップ
□ISO:単打を除く長打力を表す指標→.335/1位
□1塁到達タイム:4.09秒/5位
□打者WAR4.9+投手WAR 4.1=9.0 /メジャー1位/いずれもオールスター級の実績
※バレル=打球速度と角度の相関性から定義された長打になりやすい打球。
※バレル率=バレル÷全打球
※WAR=控え選手と比較して「1年間で何勝分貢献したのか」を測る指標。

<史上初関係>
□安打・打点・得点・投球回・奪三振数全てで100オーバー。
□46本塁打・26盗塁・8三塁打
□10本塁打以上+100奪三振以上
□10試合登板以上 +30本塁打以上
□120安打以上+120奪三振以上
※他多数有り

<代表的な受賞関係>
□ア・リーグMVP満票受賞
□選手会選出MLB最優秀選手
□選手会選出ア・リーグ最優秀野手
□シルバースラッガー賞DH部門
□コミッショナー特別表彰
□オールMLB野手ファーストチーム選出
□オールMLB投手セカンドチーム選出
※他多数有り

 

ここまでお付き合い頂きまして、誠に有難うございます。

皆様の実績を調べる中で、ベタな言い方ですが「これらの実績は正に血と汗と涙の結晶である」
と再認識しました。そして超一流の方々は人を惹きつけるパワーもすごいと感じました。

その中に現れた100年に1人とも言われる、大谷選手の来期以降のご活躍を心よりお祈り申し上げ、
そして偉大なる野球人の皆様へ深く敬意を表して、本ブログを終了とさせて頂きます。冒頭の通り私は、
ほぼ野球経験がない素人ですが、野球は好きという点が伝わっていれば幸いです。有難うございました。

(久しぶりに一本締めをしたい気分になりました)

 

次にバトンを繋ぎますのは「東大阪+同い年」繋がりで、入社以来、
勝手にシンパシーを感じております、デジアラにおける尊敬すべき先輩となる、あのお方です。

 

 

 

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