2024年12月13日: ガ~~~~~~~~~~~~ン!

【デジタルアライアンス ミヤケ】

 

ちょうど4週間前の金曜日、奥歯が抜けた。

 

右下の7番目である。
ちなみに親不知(8番目)は数年前に4本すべて抜いている。

一年前から兆候はあった。
耳の穴から指を突っ込まずとも、ガタガタしていたのだ。

昨年11月のある土曜日、歯医者を訪ねたら
「抜かないほうがいい、その代わりに毎週消毒に来てください」
と言われた。

その歯医者は
今年の1月から土日休診となった。

他の歯医者を探すのも面倒だ…
てことで放っておいた末が今である。

困ったことは特にない。
むしろ、余計なストレスがひとつ減ったぐらいだ。

他の歯は健在なので、
グラついていたのが無くなったおかげで
逆にものが食べやすくなったほどだ。

抜けた歯は一応、
小さなパケ(よく白いヤバい粉が入っているようなアレ)に入れて
捨てずに置いている。

抜けて間もない頃は、
歯を手に取って見る経験など無いものだから
暇があればマジマジと観察していた。

歯の根っこの先端に、
シャーペンの芯よりもう少し小さいかなぐらいの穴を見つけた。
調べると「根尖孔(こんせんこう)」と言うらしい。
ここから神経や血管が歯の内側に通っているようだ。

そういえば奥歯が抜けたとき、
痛みが微塵も無かった。血も出なかった。
奥歯は抜ける前からすでに死んでいた、のであった。

グラついて歯茎との間に隙間を感じていた部分には
びっしりと茶色い歯石がこびりついていた。
爪で削れるかとゴリゴリやってみたが、全く取れなかった。
彫刻刀でもチャレンジしてみたが、まるで歯(刃?)が立たたなかった。

歯の表面と根っこ部分では少し色が違っていた。
こ、これがエナメル質と象牙質ってやつか!と年甲斐もなく感心した。
歯の表面のエナメル質に比べ、
象牙質は少し黄みがかった白で、ツヤもなく、すこしカサカサした感じ。

歯茎としっかりグリップするためには、エナメル質のツルツルではなく
カサカサが重要なんだろう。人間の体ってよくできている…

と、勝手に納得している。

話は変わるが今年の3月、
人間ドック受診において「ガン疑惑」が発覚した。

患部は十二指腸。

受診後1週間もしないうちに突然知らない電話番号からのスマホ着信。
「誰やねん」と訝しがりながらも取ってみると、
人間ドックを受けた病院の院長からであった。

「お伝えしたいことがあります。
ご都合の良い日に来院いただけますでしょうか。」

人間ドックの診断結果よりも先に、院長からの電話。
自覚症状は一切なかったが、例年の結果からおそらく肝臓やろうと思いながら
週末土曜日に病院を訪れた。

「検査に出したポリープのうち、1つにグループ4の結果が出ました」

病理検査には5つのグループ分類があるそうで、簡単にいうと
グループ1、2、3は良性で、
グループ4、5は悪性(疑いも含めて)であるそうだ。

で、十二指腸にあったポリープにおいて、グループ4が出た。
肝臓の話は一切なかった。

ごく初期のものということではあったが、一通りの説明の後、
その場で病院の紹介状を渡された。
また、手際のいいことに病院の予約まで手配してくれていた。

「大阪国際がんセンター」

名前が直球すぎて、耳にした瞬間思わず笑ってしまったことを
今でもよく覚えている。

帰宅してまずしたのは、
住宅ローンの団体信用生命保険(団信)の保障適用範囲と
加入している生命保険のガン特約の確認。

保障対象だった。

早期発見ということもあり死への意識?感覚?はゼロだったので
ある意味「俺、ついてる!」と宝くじでも当たったような気分だった。

2週間後、紹介状を握りしめ大阪国際がんセンターへ。
建物がデカい。ものすごくデカい。そして、待合にいる人もやたら多い。
世の中にはこんなにもガン患者がいるのかと呆れるほどに多い。

初診は採決と問診。担当医師は見たところ30代半ば。
落ち着いた物言いではあるが意気軒高、働き盛りな印象。

翌週に内視鏡検査の予約。とりあえず酒とタバコは当面NGとなった。

内視鏡検査を経て、4月の第二週に入院(6日間)。

初日は午後入り。
入院の手続きと、患者としての心得を叩き込まれる。
病室は窓際で、眼下には大阪城が広がる絶景。

暇つぶしに持参のiPadで株のチャートとYouTubeの往復。
夕食は「素うどん」。手術前の、最後の食事。

翌日に内視鏡による患部の摘出手術。
手術室に入った時、担当の医師から
「手術1時間ほどですけど音楽でも聴かれますか?」と聞かれたので
「先生の好きな曲でいいよ。こっちは全身麻酔で寝てるから」と返答。
医師のマスク越しの笑顔を最後に、
気がついた時には病室のベッドで、大阪城はライトアップされていた。

この日から2日間絶食。腕には常時点滴。

暇だし酒飲めないしタバコ吸えないし
点滴外せないからシャワーも浴びれないとイライラしていたこの時、
当直のナースがシャンプーしてくれたのが唯一の救いであった。。。

入院4日目から食事OKになったものの、一応内臓を切って縫っているので
「お湯ときどきお粥」みたいな食事が朝昼晩朝昼晩。(↓はその一例)

そもそも便が出たらナースをトイレに呼んで、
便を目視によって確認してもらわなければならない(血便チェック)のだが、
こんな食事量でササッとブリッと出るわけもなく、、、

院内の栄養士に相談したら
ヨーグルトぐらいなら間食してもよいということだったので、
院内のコンビニで大きいブルガリアヨーグルトを数個買い込み、
小腹が空いては(ずっと空いてた)ゴクゴク食べていた。

なんとか出たのは退院日(6日目)の未明。
当直のナースを呼び出して確認してもらう。
仕事とはいえイヤな顔せず対応してくれることに感心すること半分、
若い女性に自分の汚物を見られることの屈辱感が半分。複雑な気分だった。

結果的に、摘出した「ガンの疑い」は「ガン」ではないことがわかり、
生命保険からお金は出たがガン特約は対象外となり、
当然ながら住宅ローンも変わりなく払い続けることとなった。

もし人間ドックを受けていなければ
今ごろどうなっているかわからないので
毎年受診させてくれている会社には感謝しつつ、

その一方で「なんでガンやなかったんや」という思いが
奥底でくすぶっている。

「俺、ついてないなー」
「いやいや、ついてるんや」
頭の中では右脳と左脳が、日々このようなやりとりを続けている。のん気なもんだ。

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